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【ふりかえり】初めて技術書典に出展してみて

前回の記事にあるとおり、技術書典12で初めて出展しました。
初めて同人誌を作って、初めてサークル出展したので、ちゃんとふりかえって記録に残しておきます。

今後の自分のためにということもありますが、これから本を出してみたいと思っている方にも何か参考になるものがあればいいなと思います。

前回の出展するぞの告知記事はこちら kxn4t.hatenablog.com

今回頒布したものはこちらのサイトから好きなところで買えます! introduction-to-saml.tumblr.com

やったこと

今回は、すでにある程度Zennにて書き上げていた内容を組版して、書籍として頒布できる状態にしました。
すでに内容があったとしても、結構な工数がかかりました…。

  • 本の状態にする
  • 頒布準備
  • 告知

内容を書くときにやったことはこっちの記事に書いています。 kxn4t.hatenablog.com

本の状態にする

本の状態にするまでにやったことは以下です。

  • 執筆環境の構築
  • Re:VIEW記法の確認
  • 表紙デザインの依頼
  • 組版
  • 校正
  • 入稿
執筆環境の構築

技術書の形にするために、どれで書けばいいのか調べるところからやりました。
どうやらRe:VIEWが良さそうだぞとなったので、TechBooster(技術書典主宰サークル)が出してくれているテンプレートを落としてきてGitHubリポジトリを作成。

github.com

Re:VIEW記法の確認

Re:VIEWは独自の記法が使われているので、どういうふうにマークアップすればいいのかを確認しました。

とりあえず技術書を頒布するのもよくわからないのでひとまず色々書いてそうな「技術書をかこう!」を購入。

techbooster.booth.pm

ここまででとりあえず書き始められる状態になりました。

表紙デザインの依頼

せっかく本を出すなら、最強にかわいい最高の表紙を作りたいという思いがありました。
とはいえ、どう頼めばいいかよくわからないので、最高にかわいい子を描いてくれて、最高にイケてるデザインをやってくれそうな知り合いに依頼してみることにしました。
冬コミ前という非常に過酷なときに頼んでしまったので申し訳ないとおもいつつ…。)

ちなみに今回はあとから印刷のサービスを使用するので、印刷期間は含んでいません。

イラストの依頼

使用用途と予算感やスケジュールにOKもらったあと、どんな子を描いてほしいのか具体的にリクエストしました。

今回は表紙テーマを旅行とし、それに沿うような服装、小物、ポーズ、構図などなどの要望を色々だしてみました。
いろいろ決まっているほうが、決めやすいと思うので、使ってほしい小物は指定しました。

依頼自体は開催の2ヶ月前に依頼し、納期はその1ヶ月後に。
なので、開催1ヶ月前にイラストが完成しているというスケジュールでお願いしました。

要望はオンライン作画ツールにまとめて共有しました。
これがオタクによるディレクションです。

デザインの依頼

こちらも使用用途と予算感やスケジュールにOKもらったあと、具体的にリクエストをまとめました。

どんなテイストの表紙にしたいかを家にある薄い本の中から似たテイストのものをピックアップして提供。
加えて、テーマを旅行としていること、含めてほしい文言、使ってもいい文言等を指定しました。

依頼自体は開催の2ヶ月前に依頼し、納期は開催2週間前でお願いしました。

これがオタクによるディレクションです。
今見るとなにか言っているようで何も言っていないなこれ…。

おかげさまで最高の表紙が出来上がりました。

組版

Markdownで書いていた原稿をひたすらRe:VIEW記法で書き直しました。
変換ライブラリも使ってみましたが、結局全部見直すことには変わりありませんでした…。

github.com

VScodeで書いてたんですが、プレビューできる拡張機能が途中で動かなくなってしまい、書いたらdockerでビルドして…っていうのを繰り返しました。

校正

一通り組版が終わったら校正をやりました。

textlintとしてprhとテキスト校正くんを使用して、赤くなったところをひたすら直しました。
加えて、図や表がページ分割されてしまって見づらい箇所の文字数調整したりして同じページに詰め込んだり、画像サイズを調整したり、文字が改行されてなくて突き抜けているのを直したりしました。

正直、校正作業をなめてました。

入稿

組版と校正が完了したら電子書籍用設定でビルドして、入稿します。
これは特に問題はなかったんですが、あとから誤字に気づくことが圧倒的に多く、ぎりぎりになってしまいました。

頒布準備

頒布にあたって、技術書典の出展者情報の登録と今回はBOOTHにも出すので、そちらも登録を行いました。

技術書典

サークル情報の登録、頒布物の登録と頒布方法の登録をしました。

頒布物の説明は本の概要、対象読者、読後感、こんな本ではない、といった内容を盛り込みました。

techbookfest.org

あとから印刷を使用するので、紙の本の在庫はある程度余裕をもった数を設定しました。

BOOTH

BOOTHでも同じように登録します。

BOOTHでは段落を区切って指定が可能なので、より見やすく書くことができました。

kanameliser.booth.pm

告知

主にTwitterで告知をしました。

正直な話、かなり入念に計画を立てて告知をしました。
開催当日まではすべて計画したものを計画どおりに淡々とPostしています。

また、自分なりのルールとして、夜は情報として伝えたいことを、昼はちょっとでも目を引くような軽い告知を引用RTで行う、と決めて実施しました。

開催日以降は盛り上がってそうなタイミングでその場で考えた告知を適宜実施しました。

わかったこと

本として出すこと

日本で初めての本だし、Zennだけで充分欲しい人に届くだろうと思っていました。
が、蓋を開けてみると、Zennで頒布した数以上の方に手にとっていただけ、技術書典の裾野の広さを感じました。

スケジュール

組版と校正の作業が相当辛かったです。
今回丸5日くらい作業して完了した後、入稿まで1週間くらい余裕を持っていたんですが、おわったー!と思って見直してみるとあれよあれよと誤字脱字が見つかる見つかる。

2週間くらい前までには脱稿して、ゆっくり1週間かけて見直せるといいのかなと思いました。

開発環境

記法を手で打つのが大変つらかったです。
補完が効くような拡張機能を作るしかない…。

表紙依頼

最高の表紙は本当に最高でした。
目を引くし、告知もドヤれるし、なにより自己満足度がめちゃくちゃ高い。

表紙依頼してから、納品されるタイミングもとてもよかったと思います。
印刷が必要なら入稿日を起点として、入稿2週間前には完成している状態を目指すのがよさそうです。

ただ、スケジュールが空いているとは限らないので、本出す!頼みたい!ってなった時点でスケジュールを確認するのがいいかなと思いました。

依頼内容自体は個人的にはなかなかうまくディレクションできたと思っています。
テーマを決める、イメージカラーを決める、をやっておけばイラストとデザインが別々の発注となってもいい感じに収まるかなと思いました。

今回、イラストのサイズを表紙のサイズと同じB5で頼んだんですが、表紙で使う場合、アップにして使うので、ワンサイズ上で頼むのがよかったです。

費用

ページ数が多いと、印刷代が思ったより高いことが分かりました。
今回、あとから印刷が50%キャッシュバックだったのでちょっと安くしておくか、と思って安くしたんですが、送料負担分なども含めるともう少し高くしておくべきでした。

売上は上々でしたが、今回は表紙を気合入れて発注していたので、それを考えるとなんとかぎりぎりペイした感じです。
かなりの方に買っていただけましたが、同人誌は道楽だなぁと思いました…。

告知

計画を立て、狙いを持った告知は効果があることが分かりました。
開催当日までにいかに知ってもらえるか、は重要そうです。

ただ、開催日以降は買ってくれた人が買ったとPostしてくれることがかなり購入につながると感じました。
なんだなんだ急に売れるな?と思って調べてみると、誰かが買ったよ!って言ってくれていたことが大半でした。

頒布物登録

審査には3日間かかり、審査中に再審査を行うと、順番が最後尾に回ってしまうということが分かりました。

1,2日の間に何度も再審査に出し、審査なかなか終わらないなぁ…フォーマット問題ないかなぁ…と不安な状態で過ごすより、一度審査が完了してから改めて改版したものを登録するのがよさそうです。

また、技術書典12時点では頒布方法の順番を頒布後に変えることができませんでした。
紙の本が売れるといいなあと思っていたのに、電子版を1番目にしていたので初期表示での選択が電子版になってしまいました。

登録時点でどちらを買ってほしいか、を考えて登録順を考慮すべきだと思いました。

次やること

執筆

  • 組版、校正は入稿の2週間前までには終える
  • ひとまず自分用に拡張機能を作る

表紙依頼

  • スケジュールを早めに確認する
  • イラスト納期は入稿1ヶ月前、表紙納期は入稿2週間前とする
  • B5表紙とする場合、イラストはB4と1サイズ上でお願いする

告知

  • 初出の時期は周りの雰囲気に合わせて調整する
  • 告知は計画を立てて実施する
  • ハッシュタグは必ずつける

頒布物登録

  • 頒布方法の順番を考慮して登録する

感想

技術書典、出してみて本当によかったです。

初めてのことばかりで、色々大変なことが多かったですが、自分の書いた本がこれほど手にとっていただけるとは思っておらず、とても嬉しかったです。
すでにZennである程度手にとっていただけていたと思っていましたが、まだまだ需要はあるんだなぁと感じました。

自身のコミュニティも広がりました。

また、フィードバックをもらう難しさも感じました。
同僚に見てもらったりして、ある程度内容は問題ないだろうとは思っていますが、どうすればフィードバックがもらえるのか、数々の薄い本のあとがきを読んで研究していきたいと思います。

さて、次回も頑張って最高の表紙とともに新しい一冊が作れればと思っています。
次は6月とのことなので執筆期間がかなり短く、またしばらく缶詰の生活になりそうですががんばります…。