VIVEトラッカー(Ultimate)(以下Ultimateトラッカー)のPCVR対応のベータテストがついに始まりました。 いやー、2ヶ月近く高級なおはぎとして佇んでいましたが、ようやく開封することができました。
本記事ではUltimateトラッカー本体についてと、Meta Quest3にてVirtual Desktopで接続して試した使用感について書きます。
購入を迷っている方の参考になれば幸いです。
ちなみに普段はHaritoraX ワイヤレスとQuest Proコンでプレイしているので、それらと絡めつつ書けたらなと思います。
精度的にはかなりいい感じですが、工夫してうまく付き合っていく必要がありそうですね。
(追記)使っていくうちに徐々に精度がよくなっていくとのことなので、感想については逐一更新します
※2024/2/1時点のベータテスト時の内容です
Ultimateトラッカー本体について
購入先
期間限定ですが、VIVE公式ストアで3+1セットを購入するとUltimateトラッカー用のベルトとDance Dash(VIVEPORT用)の引換コードが付属します。
終了したようです。
VIVE公式ストアで購入しましたが、中国からの発送になり4,5日くらいで届きました。
UPSで届くのであんまり問題はないかと思いますが、気になる方は国内で買うのが良いでしょう。
Dance DashのコードはVIVEPORT用なので気をつけましょう。
内容物
VIVEトラッカー(Ultimate) 3+1 セットの内容物は以下です。
- Ultimateトラッカー × 3
- USB-C to Cケーブル × 3
- 1/4インチねじマウンター × 3
- ワイヤレスドングル
- ドングル用クレードル
- ドングル用ケーブルクリップ
- ドングル用延長ケーブル
同梱のケーブルはすべてUSB-C to C
同梱のケーブルはすべてUSB-C to Cなので必要に応じて別途USB-A to Cのケーブルを購入する必要があります。
ドングルをPCに接続するためのクレードルもCなので、CのポートがないPCと接続するには最低でも1本は必要です。
※2024/2/1時点でドングルはUSB-A to Cのケーブルでの接続が推奨されています(C to Cは問題があるとのこと)
正直なところ、C to Cのケーブルをつけられてもこの数の充電をやるにはA to Cのケーブルをつけてもらったほうが嬉しい…。
自分は充電用にこれらを買いました。
マグネット式は怖いんですが、毎日抜き差しするほうがよくないしめんどうだなと思い購入…。
背に腹は代えられぬ…。今のところは順調です。
付属ベルトとEoZベルトの比較
付属のUltimateトラッカー用のベルトは1/4インチねじでの固定ではなく、クリックリリースメカニズムでの固定になり、トラッカーを直接付け外し可能です。
足用ベルトでEoZと比較してみます。
Ultimateトラッカー対応ではないEoZのベルトは1/4インチねじでの固定になるため、マウンター分重くなり高さがでます。
重く高くなる分揺れたり不安定なのかなと思いきや、EoZのベルトのほうが安定感がありブレないので良いです。
足用ベルトに関しては、ダンスとかしない限りは付属のベルトでも問題はないかと思いますが、すぐにズレてしまうため可能であればEoZのベルトがいいのかなと思いました。
と、書いてみたものの、実際使ってみると足の甲だとズボンの裾でカメラが頻繁に隠れてしまうため、ズボンの上から足首固定のほうが安定します。
腰用はお好きにって感じです(自分は全部EoZのベルトにしてしまいましたが)。
PCVR対応について
注意事項
2024/2/1時点の注意事項です。
- 当面はドングル1つでトラッカー5個までしか対応しない
- PCにドングル2つ挿したからといって10個トラッカーが繋がるというわけではない
- ただし、XR Eliteの場合、PCと本体にそれぞれドングルを挿すことで、各5個ずつ合計10個接続が可能とのこと(未確認)
- Quest等で使用する場合、いわゆる八の字キャリブレーションが必要
- 頭にトラッカーをつけることで回避可能
- ドングルはUSB-A to Cのケーブルでの接続を推奨(C to Cは問題があるとのこと)
- QuestやPICO4等単機での利用は不可(現時点ではXR EliteとVIVE Focus 3以外PCが必ず必要)
セットアップ
HTC VIVEのDiscordに参加することで詳細なセットアップ方法を確認することができます。
ベータプログラムであるため、手順自体はDiscordを参照してください。
ここではどんな感じか雰囲気が読み取れるようと、詰まったところについて書こうと思います。
DiscordについてはHTC VIVEの以下のYoutubeの概要欄から参加できます。
The VIVE Ultimate Tracker, Precision In Every Move! - YouTube
ベータプログラムに参加したら、ベータチャンネルを確認します。
まずは設定方法のビデオを見ることになると思います。
初見だとセットアップは非常に大変です。1時間~2時間はかかると思います。
2024年後半に改善が予定されているようですが、慣れてしまえばそんなに大変ではないなとは感じます。
VIVE ストリーミングハブをインストール
(追記)※バージョンアップがあり、2024/2/22時点では日本リージョンのままにしていても利用可能になっているはずです。
うまくいかない場合のみロケールの変更を行ってください。
まずはWindowsの地域設定を米国にします。
まずはWindowsの地域設定を米国にします。
すでにインストール済みで1つ目のトラッカー以外繋がらない場合、インストールし直す必要はなく地域設定を米国に変えるだけでうまくいくはずです。
2024/2/1時点では、ロケールの問題で日本や韓国だとうまく機能しないことがわかっています。
(わかるまで非常に大変でしたね…。皆様お疲れ様でした…。)
国または地域のところを米国にするだけでOKです。
使用中は常に米国にしておく必要があります。
その後、VIVE ストリーミングハブをインストールします。
注意点として、インストールするとスピーカーやマイクの設定がVIVE ストリーミングに取られてしまうので、設定し直す必要があるかもです。
コードを入力
テストに参加するためのコードを入力します。
このコードはDiscordに参加することで確認できます。
入力するとアップデートが走ります。
HMDをPCと接続
アップデートが完了したら、Virtual DesktopやQuest Link等でHMDをPCと接続します。
SteamVRの設定
SteamVRを立ち上げます。
立ち上げるとドームがVIVEストリーミングさんに乗っ取られていますが、気になるかたはSteamVRのVR設定→プレイエリア→背景から変更できます。
立ち上がったらアドオンの設定を変更します。
設定から、
アドオンの管理を開き、
htc_bussiness_streamingをオフにします。
※XREliteでVIVEストリーミングを使用したい場合は後でオンに戻す必要があるみたいです
オフにしたらSteamVRを再起動します。
再起動後、htc_bussiness_streamingがオフになっているか一応確認しておきましょう(自分はオフになってなかったです…。)
ドングルを接続しペアリング
ドングルをPCに接続しUltimateトラッカーの電源を入れペアリングします。
すべてのトラッカーの電源をいれ全部ペアリングしてしまっていいと思います。
繋げたらアップデートを促されるのですべてのトラッカーをアップデートします。
電源をつけたままUSBで接続して、更新マークのところが緑になっているところをクリックすると開始されます。
窓が背面に行ったり来たりするのでブラウザなど他のウィンドウはしまっておくのをおすすめします。アップデートのウィンドウが後ろに引っ込んだままになっちゃうんですよね…。
ドングルも忘れずにアップデートします。
トラッキングマップの設定
トラッキングマップの設定をします。
LEDが点滅したトラッカー(最初に電源をつけたトラッカーが選ばれるはず)だけ設定すれば問題ないです。
焦らずゆっくり動かさないとトラッキングロストが多発するため、ここは頑張ってゆっくり動かしましょう。
トラッカーに周囲を見せつける感じで大きくやるといいです。
自分の場合、椅子をよく使うのですが、それはないものとしてマッピングしている間は常に自分の後ろに隠しつつ行いました。
椅子を使う場合、椅子は隠して周囲にはないとおぼえておいてもらう必要がありますね。
(追記)椅子もトラッキングマップの仲間に入れてあげたほうが精度が高そうです。飛びづらくなりました。
白い壁はかなり苦手なようで、ポストイットなどなんらかのマーカーとなるものを貼る方がよさそうです。
貼ってからは見違えるほどよくなりました。
Space Calibratorの設定
VIVEストリーミングハブに内蔵されたSpace Calibratorで八の字キャリブレーションを行います。
LEDが点滅したトラッカーを持って儀式を行います。
基本的に最初に電源をつけたトラッカーがホストとなり、ホスト基準で色々合わせこんでいるみたいです。
(追記)OpenVR-SpaceCalibratorを利用している場合、こちらの手順は不要です
それぞれのトラッカーを胸の前に持ってくる
ホストとなっているトラッカー(星がついているもの)から順に胸の前に持ってきてトラッキングが開始されるようにします。
トラッキングがうまくいくと緑で準備完了とでます。
SteamVR上で確認
うまくいっているとトラッカーがSteamVR上で確認できるはずです。
ここまで来たら各ベルトにセットしましょう。
感想
結構不便なところも多いですねという感じです。
気をつけてあげればうまく付き合っていけるかなと感じますが、通常のベースステーションが置けるのであればもちろんそっちのほうが良いと思いました。
(追記)使っていくうちに徐々に精度がよくなっていくとのことなので、感想については逐一更新します
精度
精度はかなりいいです。
トラッキングが正常に行われているときはVIVEトラッカーと遜色ないと思います。
HaritoraX ワイヤレスとは比べ物にならないくらい良いです。
地に足ついてる感がちゃんとあります。
が、トラッキングがすぐに失われてしまったり、ずれたり、震えたりしてしまい、それだけは不便です。
HaritoraX ワイヤレスのほうはキャリブレーションこそたくさんしないといけないですが、それ自体は楽なのであまり気を使わなくても運用できるところがいいなあと感じます。
Ultimateトラッカーはカメラが隠れるとすぐにトラッキングが失われます。
やっとのことで動いたUltimateトラッカーはこんな感じ。
— かなたん (@kxn4t_vrc) 2024年2月1日
おおむね精度的にはいい感じだけど、自分の場合、ちょっとプルプル震える…。
カメラが隠れちゃうと完全に飛んでしまって、胸の前に戻さないと元に戻んないです。
寝転がるのは厳しいかなという印象でした。 pic.twitter.com/1gHMZzIjU0
あと、どうやら時間が経つとズレによりピクピク震えてしまうようです。
震え始めたら、すべてのトラッカーを1つずつ外して胸の前に持ってきて、しばらくホールドしたあと元に戻すと直ります。
(追記)どうやら自分の場合は特定の方向を向くと震えが止まらないようです。何回かトラッキングマップを再生成しましたがうまくいかず…。
SteamVRの正面方向(SteamVRを起動したときの正面方向)を向くと震えるところまで分かっています。
それ以外の方向を向いている限りはかなり精度良く気持ちよく過ごせます。
寝転ぶのはカメラが隠れてしまうのでかなり厳しいですが、寝転んで飛んだあとに腰のトラッカーを外して天に掲げると元に戻るので寝転ぶこと自体は可能です。
(追記)腰トラッカーを横につけることで隠れて飛んでしまう問題を色々回避できそうです。
座ったり寝転んだり自由自在になりました。
服や頭につけてる充電ケーブルが動いてもすこし震えてしまうので、着るものとケーブルには気をつける必要がありそうです。
(追記)充電ケーブルはあまり関係なさそうです。
着るものはかなり気をつけないといけないですね…。ひらひらとしないように抑えるなどする必要があります…。
HaritoraX ワイヤレスはQuest3のコントローラーやProコンを近づけるだけでズレていっていましたが、Ultimateトラッカーはそれがないのでいいですね。座ってるだけで徐々にガニ股になっていかないので可愛いを維持できます。
(追記)そこそこに仲良くなれた版のビデオはこちらです。
これを見ていただければわかるかと思いますが、かなり相当いいです。
このあと腰トラッカーを正面ではなく横につけてみたのですが座るのも特に問題がなくなりました。
Ultimateトラッカー完全に理解したのでVRChatで長めにゆったり動いてみました。
— かなたん (@kxn4t_vrc) 2024年2月5日
胸、腰、両足の甲とキャリブレーション用の頭の5点。
トラッカー隠れたときちょっと飛ぶけど、とりあえず普通に過ごす分には問題ないかなーってなってきた。
だいぶ仲良く慣れそうな予感がしてきた。 pic.twitter.com/EWhEnTbih7
装着感
普段はHaritoraX ワイヤレスを使っているので、足の甲につけたものは重たく感じました。
Ultimateトラッカーとマウンター合わせて112gに対してHaritoraX ワイヤレスは17gです。
胸や腰はEoZのベルトの装着感が非常に良く、あまり重たくないですが、足は重たいですね。
クロックス等にくくりつけるほうがいいのかもしれないですが、おはぎのように丸いUltimateトラッカーはそれ単体でくくりつけるのが非常に難しいです。
別途取り付け用のマウンターを3Dプリンターで作るくらいしか解決方法が思いつかないですね。
頭用トラッカー
VIVEストリーミングハブ内蔵のSpace Calibratorの代わりに、indexコンやVIVEトラッカーを使うときと同様、bd_さんのフォークや、さらにBugfixされたhyblockerさんのものも利用できます。
これらをインストール後、ホストとなっているトラッカーを頭につけることで継続的キャリブレーションを行うことができます。
一番最初に電源をつけたものがホストとなるので、頭につけるものは毎回最初に電源をつける必要がありますね。
(追記)VIVEストリーミングハブにキャリブレーションが内蔵されているため不要かと思い色々試してみましたが、継続的キャリブレーションはやはり必要なようです。
Questのセンターを変更したりするとズレてしまい、再キャリブレーションが必要になりますが、継続的キャリブレーションを行うと自動で回復します。
2024/2/1時点ではVIVEストリーミングハブによる再キャリブレーションはVRChatを落とさないとできないため、別途OpenVR-SpaceCalibratorを使用するのをおすすめします。
その上で頭用トラッカーを用いて継続的キャリブレーションを行うと非常に快適です。
2024/3/29のアップデートにてVRChat等アプリケーションを起動したままSteamVRのオーバーレイメニューからキャリブレーションできるようになりました。
ただし、継続的キャリブレーション機能はないため、頭用トラッカーにて行いたい場合は別途OpenVR-SpaceCalibratorを使用するのを引き続きおすすめします。
固定について
自分の場合は129製作所さんのストラップをエリートストラップに通して後ろ側で固定しています。
前面に固定したほうがいいんでしょうが、ちょっと重かったので、カウンターウェイト代わりに後ろにつけてみています。
問題があれば前面に変更する予定ですが、いまのところ問題なさそうです。
(追記)5時間ほどこれでプレイしてみましたが突起が当たり純粋に頭が痛かったです…。付け方は別途工夫しないといけなさそう。
(さらに追記)金具をエリートストラップに通すのではなく、マジックテープで固定するようにしたら痛くなくなり、安定して固定できています。
充電
HaritoraX ワイヤレスと比べると持たないですね。
HaritoraX ワイヤレスは20時間、Ultimateトラッカーは公称7時間です。
実際には5時間半〜6時間半くらいで充電が切れるので結構短いと感じています。
(追記)2024/3/29のアップデートにて異常に電池を食うことがほとんどなくなり、安定して6時間半程度使用できるようになりました。
HaritoraX ワイヤレスは毎日充電しなくてもよかったですが、Ultimateトラッカーは毎日充電しないとダメですね。
ただ、すぐにベルトから取り外しできるので、充電時はベルトとかケーブルとかがごちゃごちゃせずいい感じです。
頭につけて継続的キャリブレーションを行う場合は最初に電源つけるトラッカーを覚えておく必要がありますが、そうでない場合は意識する必要はなさそうです。
充電しながらも動作可能ですが、充電中はバッテリーに充電されず、そのままのバッテリーレベルが維持される点には注意が必要ですね。
(追記)トラッカーの充電残量はXSOverlayから見ることができました。
しばらく利用してみての感想
しばらく利用してみての感想を追記します。
これを追記している時点(2024/2/22)で3週間ほど毎日利用していますが、通常の利用にはほとんど問題がないところまできました。
精度は申し分ないですし、カメラを隠さないように取り付け位置を工夫したり服をひらひらさせないようにしたりすることで、座ったり寝転んだり動き回っても飛ぶことはほとんどなくなりました。
ドリフトすることもめっっったにないのでとてもよいですが、特定の方向を向くと震える現象のみ克服できていません。起動時にいつも向く方向と別の方向を向いて起動することで回避できているので現状問題ありません。
たまに接続がうまくいかなかったり接続と切断を繰り返すトラッカーが出てくるんですが、電源を入れ直すことで直るため、あんまり困ってはいません。
なにかうまくいかないなというときはトラッカーを再起動するかリセットをすればだいたい解決するということが分かってきたので、普段利用する分には全然問題がありません。
2日に1回くらいプレイ中に駄目なトラッカーが出てくるので、あとは安定さえしてくれればいいデバイスだと感じています。
自分は買ってとても満足しています。
2ヶ月経過時の感想
使用し始めてからおよそ2ヶ月が経ちました。
ずっと同じマップを頑張って使っているのですが、最初の頃より部屋の中でトラッキングを見失うことがかなり減ってきて、マップ精度の向上を感じています。
普通にプレイしている分には飛ぶことは本当になくなりました。
ただ、電源をつけたときに、ときたま精度が非常に悪いことがあり、電源をつけ直すと解消することがあります。
いざVRChatをやろうとしたときに、ホストのトラッカーをぶんぶん振り回して、飛ばないことを確認してから始めていますが、これが結構面倒というかなんというか…。
また、接続がうまくいかなかったり接続と切断を繰り返すトラッカーが出るのはあいかわらずで、これはかなりひどいです。
あいかわらず2日に1回はだめなトラッカーが必ず発生します。1つではなく複数。
電源をつけたタイミングで繰り返すのはまぁリセットしてからプレイ開始すればいいのでいいんですが、プレイ中にこうなられるとリセットが非常にめんどくさいです。
電源を消す際にTurn off allで消しているのが悪いのかと思い、一つずつ消していき最後にホストのトラッカーを消す、でも発生するのであんまり関係なさそうです。
また、電源をひとつずつつけたとしても同様に発生するので、これもあんまり関係ないですね。
あと、たまに異常に電池を食うトラッカーがでてきて、そいつだけ死ぬ、みたいなことがあります…。
このへんの煩わしさがなければ、非常に満足できるデバイスなのですが…。
精度に関する文句はまったくありません。非常に素晴らしいです。
ゆえに、惜しい…。
2024/3/29のアップデート後の感想
2024/3/29のアップデートにて安定性とトラッキング精度の向上、トラッキングマップの作成方法の改善が行われ、ようやくおすすめしても問題がないレベルになってきました。
以前のトラッキングマップ作成は合計8方向のマップ作成をしゃがんだり立ったり振り回したりを頑張ってやり切ったあとに、お前のマップクソだからやり直して(笑)と表示され最初からやり直しだったため、これにみんなキレ散らかしてたんですが、これが改善されました。
問題のある箇所のみをマッピングをやり直すことができるようになり、全部をやり直す必要がなくなりました。
これによりトラッキングマップ作成のイライラが相当に減りました。
また、トラッキング自体の精度向上も行われました。
従来はトラッキングマップ作成直後はトラッキングロストが多発しており、使い込むにつれてマシになっていっていたのですが、アップデート後は最初からロストすることなく精度の良いトラッキングが行えるようになりました。
安定性の向上も著しいです。
接続と切断を繰り返すトラッカーは出なくなりました。しかし、マップ同期中から進まないということはたまに発生するようになりました。
電源を入れ直すか、リセットするかで直るのは相変わらずですが、以前と比べると比べ物にならないくらい非常に良くなりました。
プレイ中に接続と切断を繰り返すこともなくなり、本当に安定してきました。
アップデート後の問題として引き続き残っているのが以下3点です。
- マップ同期中から進まないことがまだたまに発生する
- SteamVRの正面方向(SteamVRを起動したときの正面方向)を向くと震える
- OpenVR-SpaceCalibratorを使用している場合、急にトラッカーが飛ぶようになった(おそらくVIVEストリーミングハブに内蔵されているSpace Calibratorが影響していると思われる)
これがなくなればもうほぼほぼ問題がないですね。
困ったときは?
まずはこのスレッドを見て対処しましょう。
基本的にこのスレッドの内容でほぼ解決するはずです。
https://discord.com/channels/946305475467706419/1201797665197658113
それでも解決しないときは、フォーラムに書き込んで有識者を頼りましょう。
このスレッドに書いていないアドバイスとしては、
- トラッキングマップ作成時にトラッキングが一向に開始されないとき
- 一旦トラッカーの電源をすべて落とし、一つのトラッカーだけ電源をつけ直して最初からやり直すと開始されるはずです
- 使用中に連続でトラッキングが失われたりして荒ぶるとき
- 荒ぶっているトラッカーの電源を入れ直すと直るはずです
- 何かがおかしいとき
- 以下の手順でだいたい直ると思います
- トラッカーの電源を入れ直す
- トラッカーを有線で繋ぎ、リセットする
- VIVEストリーミングハブを再起動する
- PCを再起動する
- トラッキングマップを再生成する
- 以下の手順でだいたい直ると思います
豆知識
- トラッキングマップの仕組み
- ホストとなったトラッカーに保存されたマップが各トラッカーに同期される
- 以降、同期されたトラッカーはホストと同じマップを持つ
- そのため、マップが保存されていないトラッカーをホストとした場合にマップの再生成が必要となってしまう
- この同期がうまくいかない場合、トラッカーの一つがうまく繋がらないといったことが発生する
- トラッカーのリセットを行うことで同期されたマップがリセットされる
- これらの仕組みをうまく応用すると、部屋別にホストとなるトラッカーを分けておくことでトラッキングマップを複数保持することができるはず…
さいごに
満を持して開始されたPCVR対応ですが、QAに時間をかけただけあって、トラッカーの動作自体に大きな問題はなく使えるものになっていました。
VIVEトラッカーのほうが値段的にも精度的にもいいと思いますが、部屋の大きさ的にベースステーションを置くのが厳しかったので、インサイドアウトのトラッカーが出てくれて大変助かりました。
HaritoraX ワイヤレスやUni-motionなどのIMU式は数分置きにキャリブレーションが必要で非常に煩わしいですが、Ultimateトラッカーはそれがなく、かつ精度も良いです。
しかし、またこれはこれで別の煩わしさがあり、悩ましいなあ…と思います。
模様のないただの壁は非常に苦手なので、部屋をポストイットまみれにする必要があるかもですし、暗い部屋も明るすぎる部屋も直射日光が入る部屋も苦手で、部屋をこいつに合わせてあげる覚悟は必要です。
個人的にはIMU式のトラッキングに満足できない人向けのアップグレードとしてはいい選択肢かなと思いますが、ベースステーションを置けるひとはそっちのほうが良いと思います。
うまく工夫して付き合っていきましょう。
(追記)現状、英語を読む必要があり、自ら情報収集して自分でトラブルシューティングをする必要があるため、万人におすすめできるものではないと感じています。
自分でなんとかするという気合いを持って取り組めるのであれば、精度は非常に良いですし接地感も良いのでいいんですが…。